(2018.10.30筆)
私たちはネットで情報を探すとき、検索サイトを利用します。また、動画サービスを利用すると好みの動画として同じような内容の動画を予め検索して用意してくれます。
このようにして知らず知らずのうちに同じ情報に触れる機会が増える「フィルターバブル」という状況に晒されています。
更に様々なサイトで同じような情報を探す行動をして行くようになると、その情報だけを信じる「エコーチェンバー」(共鳴室)という 状況に陥ります。これによって政治的、社会的に偏ったメッセージを信頼し、悪意ある行為に巻き込まれてしまったり、正しい判断をできない状態で行動を起こしてしまい、大きなトラブルへと発展しています。
周囲にある他の意見を取り込むことができない状況に陥ることで社会的な分断が生じ、一部の人たちは 偏った意見を持った集団となって暴挙に走ってしまいます。SNSで一方的な意見を目にすることは多々あります。そんな時は反対意見にもしっかりと触れることだと思います。
エコーチェンバーに引きこもってしまわないよう、幅広く情報に触れるようにしていれば、もっと冷静に判断できるようになるかと思います。(参考:クローズアップ現代+)
(2018.10.30)
最近、闇社会の資金源として不正広告が大きな問題となっています。
ネット広告は、広告主が大手の広告代理店に発注し、そこから実際にネット広告を作る企業に卸され、更にアドネットワークにばらまかれることで様々なサイトに広告が拡散します。
問題となっているのは、広告が正しく表示されてないことと、闇社会の資金になっているということの両面にあります。広告がもちろん正しく表示されていることもあります。しかし、それが広告主の意図しない場所であったりするのです。
広告代理店やネット広告の企業には、アドネットワークを制御する術はありません。また、様々なアドネットワークが存在するため、もはや広告がどこのサイトに表示されているか分からなくなっているのです。
また、WEBやアプリの裏側で広告を表示したように見せかける技術もあるようです。 これは完全に広告料を詐取するための仕組みで、不正な資金として闇社会に利用されていることは明らかになっています。(参考:クローズアップ現代+)
(2018.10.30筆)
Facebookが数千万人単位での個人情報漏えいを何度も引き起こしています。
ネット上には無料で利用できる様々なサービスがありますが、SNSや検索サイトは利用者の個人情報を利用しています。
FBで問題が大きかったのは内部からの情報漏洩、アプリ製作者が個人情報の多くに自由にアクセスできたこと、またFB自身が個人の行動を追いかけて情報を得ている仕組みを持っていたことかと思います。個人情報が流出することでなりすましの被害にあう可能性があります。知らないところで自分の名前で契約をされたり、既存のサービスを利用できなくなったりする危険性があるのです。
また、クレジットカード情報の流出にあうと、不正な請求が来るまでにタイムラグがあるためすぐに問題に気づかず、被害が拡大しやすいということもあります。
インターネットを使って個人の持ち物を売買するサイトとして、様々なオークションサイトが開設されています。
オークションサイトを使って個人の手元にあるモノをリサイクルするという観点では非常に良いシステムだと思います。
しかし、安価に手に入るものを高値で売りつけたり、ないものを偽って売りつけたりというトラブルが絶えないようです。
特に商品を持たずに代金を詐取する事例は、過去から個人売買においては注意すべきトラブルでした。
オークション会社がいくら大手であっても、このような詐欺について予防や保証をしてくれる訳ではありません。あくまで、個人が予防策を講じるしかないのです。
また、自分は良心的であると主張することも間違いで、それを逆手に取るのが詐欺ですから、面倒でも確実な方法を取ることが良心的な策と言えます。
商品を先に送ったり、代金を先に支払ったりする時点でトラブルの元が作られます。その時点で、90%のあきらめをするか、事前に同時に引き替えできる方策を用意するしかないのです。
最も万全なのが商品と代金を面前で引き替えることです。次に、商品代引を利用するということです。
ただ、これらの方法を使っても安心とは決して言えない世の中ですので、最悪のケースを様々に想定して危険防止をするしかありません。
個人売買の決済方法と買い手の危険防止策
- 商品と代金の引替・・・喫茶店等公共の場で行う。付き添いを1名連れて行く。
- 郵便局・運送会社等の商品代引を利用・・・事前に利用する業者を確認し、商品の到着後、内容に不備があった場合、支払を中止(一時停止)できるか確認しておく。
- 郵便・銀行振込・・・口座が偽物だと詐取されてもすぐに対処できない。商品が来るかどうかは相手次第。
- 現金書留・・・少なくとも偽の住所には届かないはず。商品が来るかどうかは相手次第。
ホームページ、メール、チャット、掲示板など簡単なユーザー登録だけで利用できるサービスが沢山あります。
しかし、個人が運営するものから大手プロバイダが提供するものまで、品質にはかなり差があります。
特に、個人情報の扱いについては気になるところです。登録時に名前など入力しなくても良いなら漏れる情報がないことになります。でも、サービスを利用するIDやパスワードをしっかり管理しなければ、結局はなりすましという被害が発生します。
これは、サービスの管理者(運営者・提供者)にもしっかりとしてもらわなければ、結局は満足に利用できなかったり、不正に利用されたりすることになります。
世の中には民法という法律があります。そこには、有償の賃借の場合、双方に責任と義務がありますが、無償の場合は、利用者が責任を負うということが書かれています。
それはどういうことかと言うと、形態としては消費貸借と言うもので、自分の持ち物を無償で使わせる(消費させる)場合のことです。例えば、車を貸してあげる、香水を貸してあげるというものです。
もし、有償ならば故障した車や腐った香水を借りた人は、貸した人に文句を言って正常な物を要求することができます。逆に言うと、貸す方に正常に利用させる義務があるのです。
けれど、無償となると、一方的に得をするのは利用者なので、提供される内容に問題があっても文句を言うことができません。(故意に問題のあるものを貸すのはダメですが)
当然と言えば当然で、自分が貸す方の身になれば、タダで貸して何で文句を言われるのか。と、言うことになるはずです。
無償で物を借りる、もらうという場合、リスクは借りた方が全面的に負うということを理解しておく必要がありそうです。
もちろん、預けた個人情報を(サービスの提供と無関係に)不正に利用されたら、それはそれで、責任を追及する必要があります。
複数台のコンピュータをネットワーク用ケーブルで接続するのが従来のLAN(Local Area Network)環境でした。ネットワーク機器が安くなって、家庭や中小企業においても簡単にLANが組まれるようになりました。
更に、無線を使ってコンピュータとネットワーク機器を接続できる無線LANも規格が整い製品が増えて、誰でも手軽に使えるようになってきました。
町中でも使えるようにと、ファーストフード店などホットスポットを利用したサービスも行われています。
このようにケーブルがなくなったことで、ネットワークの自由度が広がり、利用場所までも広まってきました。
しかし、どこでも使える無線LANは、果たしてどれだけ安全なのでしょうか?
誰でも簡単に使えるという利点は、逆にセキュリティ面の大きな危険性を意味しています。無線LANは電波を使って通信を行います。電波は周囲に広まり、目に見えないため、どのコンピュータに接続しているのかという把握が困難です。
電波の盗聴を防ぐことは容易ではありません。もちろん、距離を取ったり、壁によって電波を遮断するしか方法はありません。無線LANのどこでも使えるという利点を制限するしかないと言えます。
ネットワークへの侵入は防ぐことも検知することも可能です。しかし、簡単に導入できるため設定を見直さずに使っていると簡単に他人の侵入を許すことになってしまいます。
無線LANにはESS-IDという無線ネットワークを識別するコードがあります。このコードの設定を空欄にしていたり、「ANY」としていた場合には、識別機能が働きません。しかし、設定を正しく行ったとしても安心はできません。ESS-IDはネットワークを切り換えるための識別をするだけです。識別のために機器同士でこのESS-IDを発信し、これを受信して通信を行っています。発信された電波は誰でも受信できますから、悪意のあるものが特別なツールを使うまでもなく、これを調べることは容易なのです。
WEP(Wired Equivalent Privacy)という暗号通信の機能もあります。これはあらかじめ同じ暗号キーを設定した機器同士での暗号通信を行うための機能です。長い暗号鍵を使って安全性を高めていますが、盗聴によって暗号化パターンが比較的簡単に割り出されてしまうという欠点があるのです。
このようなソフトウェアによる対処はあまり効果的ではありません。しかし、ネットワーク機器には、1つ1つ異なる識別コードとしてMAC(Media Access Control)アドレスが割り当てられていて、これを使ってネットワークに接続できるコンピュータ(ネットワーク機器)を個別に識別することができるのです。
通常は、無線LANの親機となるネットワーク機器に接続を許可する子機のネットワーク機器にあるMACアドレスを登録します。この方法であれば、接続できる機器を安全に制限することができます。事前に確実な設定をしなければなりませんが、12桁の16進数を入力するだけで簡単に侵入を防ぐことができるのです。
今後も、新しい規格により認証機能や暗号の強化が図られます。
2002年5月、スクウェア社の「ファイナルファンタジーXIオンライン」(以下FF11と略)の日本での本格サービスが始まりました。
初期導入費(約3万円)や月々のプレイ費用(1250円)が必要なため、小中学生が簡単に始められるものではないため、社会人、大学生のプレイヤーが多いようです。もちろん、その中に高校生や小中学生も入って来ています。
このようなゲームはRPG(ロールプレイングゲーム)と呼ばれていて、ゲームの世界に置いて冒険者という役割を演じながら、様々な目的を探し達成して行くことができます。その積み重ねによって様々な体験をし、達成感を得るのです。
それでは、今回の「FF11」に付加された「オンライン」とは何でしょうか。それは、コンピュータネットワークを使用したゲームということです。そう、インターネットを使って、多くのプレイヤー達と一緒に冒険をすることができるのです。
今までは、シナリオとして用意された人物との会話を読むだけがRPGの中身であり、ストーリーを追いかけながら謎を解いたり困難に打ち勝つことが目的でしたから、自分の都合だけでゲームは進んでいきましたし、それは用意されたレールの上にありました。
しかし、オンラインゲームはインターネットを通じて多くのプレイヤーと協力しながらゲームを進めるため、様々な出会いもあり摩擦も生まれます。
ことに、会話はチャットによって行われますので、会話の内容によって誤解を生むこともあるでしょう。また、ゲームでありながら自分勝手に振る舞うこともゆるされません。ゲーム内でパーティ(隊列)を組み、2人から6人 、最大18人で一つの目的に向かって協力してプレイすることもあるのです。そうすると、誰か一人の行動がパーティを危険にさらすこともありますから、お互いに戦略を話し合ったり、目的達成のための議論も起こります。
オンラインゲームは、ゲームと言いながら、そこは礼儀の必要な社交場なのです。そして、そこには身分も年齢もない分身達が存在しています。しかし、ゲームのキャラクターである分身は紛れもなくプレイヤーの人格を受け継いでいます。その言葉、行動はプレイヤーの意思によるものです。
さて、このようなオンラインゲームにおいて、慎むべき言葉と行動について少し解説しましょう。
●言葉の問題点
言葉はチャットによってお互いに会話がなされます。チャットで気を付けることは既にチャットのページで述べたことが当てはまります。後は、ローカルルールに注意することでしょう。
会話の範囲も、1対1、周囲の人、遠くまで聞こえるものなど様々用意されています。会話の内容によって、この範囲を適正に選ぶことも重要です。単なる待ち合わせの連絡をプレイ中の全員に話す人は嫌われます。また、パーティでプレイ中に、ひそひそと1対1でばかり話していると、返事をしない人だと思わせます。
また、言葉の中には長いものを短く略したものが使われます。これはRPGというゲームであるため、敵との戦闘中に長い言葉をキー入力していられないということや、通信時間・会話時間の短縮のためだと考えられます。良い例ではありませんが「ありがとう」を「ありー」と略したりします。しかし、こういう略し方は慣れた人同士の間ですべきであって、初めて会った人や助けてくれた人に対しては使わないものです。
●行動の問題点
行動については言葉以上に問題となることが多々あります。
自分勝手な行動によりパーティのメンバーが死んでしまうことがあるからです。死ぬと言って、ゲーム中に戦闘不能になってしまうことですが、いくつかのペナルティが死んだ人に与えられるため、誰もそれを願ってはいません。
団体行動の場合、より困難な敵を倒すために協力しあうことが目的です。1つの戦闘が終わると休息をして次に備えますが、自分が元気だからといって勝手に行動すると、パーティが敵に襲われて全滅してしまうということがあります。
また、目的もなくパーティを集めて時間を無駄にしてしまったり、適正でない場所へパーティを連れ込んで危険にさらすということもあるでしょう。もちろん、パーティにはリーダーがいて、適切な処置をしなければなりません。問題行動や言動がある人をパーティから外すこともあります。
その他、オンラインゲーム独自の迷惑行為を紹介しましょう。
【PK】
FF11ではできませんが「PK」という行為があります。これは「Player Kill」の略で、他のプレイヤーを襲って死に至らしめる行為です。海外製のオンラインゲームの多くが「PK」を可能にしていて、プレイヤー同士が戦い、倒れた者から金品を奪う行為まで可能になっています。FF11ではこれは許されていないため、敵に倒されそうな人を見かけたら助けてあげるという行為が自然に生まれました。
【MPK】
「PK」がないからといって安心はできません。「MPK」という敵(モンスター)を使った「PK」行為があるのです。直接他のプレイヤーを攻撃できないため、わざと強い敵を連れてきて、自分は逃げるなどして他のプレイヤーを襲わせるという行為なのです。
自分勝手な行動でパーティを危険にさらすこともありますが、逆に行動しないことでパーティを危険にさらすこともあります。これもMPKと同一扱いで、パーティを組んでおいて、自分は何もしないでパーティを危険に遭わせることを面白がる人もいるようです。
【寝落ち】
ゲームをしながら寝てしまうことを「寝落ち」と言います。突っ立ったまま動かず、声を掛けても反応がない場合、プレイヤーはゲーム機の前にいないか寝てしまっています。
プレイヤーが寝てしまうと誰にも起こすことはできません。特にパーティ中に寝落ちするととても迷惑がかかります。パーティプレイはそれぞれに役割分担をして強敵と戦います。一緒に戦っているはずが、役割を果たせなくなるのですから、とても迷惑をかけてしまいます。こういう時は熱中せずに早く睡眠を取ることが大事で、素直に告げて、パーティから外れる方がお互いのためでもあります。
多くの人が参加するオンラインゲームではそのシステムを悪用する人がどうしても存在します。そのような情報を交換しているホームページもありますが、悪人は簡単に名前を変えて現れます。行動がおかしい人がいたら、早めにパーティから外すか、パーティを抜けてしまうのが良いでしょう。
無理せず楽しくプレイするためには、時間を守り、いろいろな人と話をしながら、親しい人を作っていくことでしょうか。
参考:リネージュ資料室(不正サイト対策など具体的な手法を紹介しています)(2018.10.30追記)
チート行為(ゲームのプログラムやデータを書き換えることでゲームプレイを有利にする行為) によって逮捕者が出るようになっています。
オンラインゲームの不正行為は、運営者からは課金を逃れる行為であったり、他のユーザーとの不公平感を生む行為として禁じられており、遊びから逸脱したものとして取り締まりを受けています。
(2002.12.14筆)
携帯電話でゲームができるという広告で2001年から携帯電話にiアプリという機能が付加されました。これはJavaというプログラム言語を使ったソフトウェアを動かす機能で、ゲームに限らずサービス事業者が自由に様々なものを提供できる土台となります。
携帯電話は携帯パソコンとなったのです。しかし、これは既存のセキュリティ問題が携帯電話にも差し迫っていることを意味しています。
プログラムは、言語の組み合わせです。文章と同じように作者がやりたいと思うことを実現する力を持っています。その言語の1つがJavaであり、Javaで書かれたプログラムはiアプリを登載した全ての電話機で動くことになります。
プログラム言語には得意・不得意な分野・機能があります。セキュリティ上心配になるのは、携帯電話の中にある電話番号やメールアドレスを利用されることはないのか。ウイルスプログラムによって携帯電話が動かなくなったり乗っ取られたりすることはないのかという点です。この点はiアプリ用のJava言語の仕様を調べると、できることできないことが見えてきます。
携帯電話内の電話番号やメールアドレスに直接アクセスすることはできないとは言え、これも何がきっかけでできてしまうかも知れません。決して安全を鵜呑みにすることはできないのです。 2001年5月にソニー製のiモードで他のiアプリの管理領域にアクセスできる不具合が発生し、そこから情報漏洩に繋がる危険性が指摘されただけでなく、将来への不安も残したのでした。
また、コンピュータウイルスの可能性です。メールでiアプリを送り込むこともできるかもしれませんが、ゲームとして利用させて利用者を油断させるタイプが危険です。ゲームにからめて利用者の情報を集めることは簡単でしょう。
iアプリからインターネットを利用したり電話を掛けることもできます。悪戯で電話を掛けるプログラムも簡単にできるということです。
個人情報とiアプリが同居している以上、情報の漏洩が絶対にないとは言えません。不要な機能は使えない方機種を選ぶというのも大切です。使うからには細心の注意が利用者に要求されることは、他の通信機器と同じでしょう。
(2004.6.5筆)
いまさらですが、インターネットそのものが新しいコミュニケーションの道具として、私たちの生活には欠かせない物になってきました。そのトラブルが小学生同士の殺人という痛ましい事件(2004.6.1)となった今、もう一度原点から、この新しいコミュニケーションの道具について考えてみたいと思いました。
ネットでのコミュニケーション手段として、ホームページがあり、その中で掲示板(BBS)やチャットという相互にメッセージを伝える手段があります。ホームページに書かれたものは、発信者からの一方的な言葉です。しかし、掲示板やチャットは誰もが発言でき、誰もが閲覧できるという特徴を持っています。でも、ここでは、インターネットの公共性を問題視するのではなく、文字によるコミュニケーションの問題点を掘り下げたいと思います。まず、私たちは対面でのコミュニケーションを学びます。相手の顔を見て、適切な言葉で、適切な間を持って話します。ここには時間と空間があります。私たちは表情の変化、言葉の抑揚、体の動きで言葉を補なっています。これらは文字では表現できないのです。
それでも、ネットでのコミュニケーションを続けてきた人々は顔文字という表現方法を作り出しました。\(^o^)/ v(≧∇≦)v (^_^;) (((p(>o<)q))) (T◇T) (#^_^#) φ(。。) m(_ _)m (参照:顔文字王国顔文字図書館)
文字による簡単な感情表現「(笑)」や「(汗)」「(泣)」などありましたが、種類が少なく微妙な表現でもありません。それに比べて顔文字は同じ様な表現でも種類が多く、感情と動作が表現できることから、様々なものが生み出されています。これは、文字だけでは表現できないこと、コミュニケーションには感情表現が重要だということを認めた上での発展ではないかと思います。
このように文字だけのコミュニケーションを補うために文字を駆使した漫画的な表現は、非常に秀逸なアイデアです。ただしかし、記号化された感情表現には受け手の感性によって意味が全く伝わらないこともあります。これ以上は対面でも腹の内まで分からないのと同じで、そこまで感情を引き出す必要はないかも知れません。
ともかく、文字だけの表現の限界があり、それを補う方法も考え出されているということがとても重要なことです。掲示板は手紙に近い物があります。学校で隣の子にメモを書いて渡す。そんなときにも、やはり顔文字のような絵を添えて感情を表現します。感情表現はとても重要だという認識がそこにはあるはずです。さらに掲示板は、そこにいつまでも内容が残ってしまうということで見返すことができたり、プリンタで印刷して残すこともできるし、内容をコピーしてホームページや他の掲示板やメールなどを使ってまた別の人にも見せることができてしまいます。ホームページは1つの閉ざされたコミュニティ(社会、空間)のように間違った認識を覚えてしまうことがあります。しかし、そこでさえ誰もが来訪することができますし、人が別のコミュニティに発言を運び出すことさえ容易なのです。例え一人の友達に向けた言葉であっても、それを評価するのは来訪する全ての人々なのです。直接言葉を投げ合う二人がいても、それによって傷つく周りの人がいるかも知れないという配慮が必要になるのです。
チャットは、通常書き込んだ発言はあまり長く残りません。もちろん、新しい発言がなければ残ります。10〜20個くらいの発言が常に画面に表示され、新しい発言があると、古い物が1つ消えます。しかし、これは表面だけで、サーバーの中には残っている場合もあります。50個の発言が残っていて、そのうち20個だけが表示されているという場合もあるのです。チャットは電話に近い感覚で、短いメッセージを送ります。これも掲示板同様誰もが自由に閲覧できるのが一般的です。
この他に専用のソフトを使って1対1でチャットができるインスタントメッセンジャー(IM)というものもあります。また、メールのソフトを使ったメーリングリストでは、多数の人にメールを送ってお互いの発言を見ることができます。それぞれの解説ページをご覧下さい。
最後にホームページについて、ホームページには発信者が用意したコンテンツがあります。自己紹介、趣味の紹介、日記や作文などの記事です。もちろん、写真やイラストも使われます。これも自己表現の一つの方法ですが、ホームページそのものは発信者の一方的なものであり、感情や価値観も一方的に発信されます。そのため、感情的な発言があってもそれを誰にも抑止することはできません。反論や注意をうながすためには、メールや掲示板が必要になります。もしこれらの手段がなければ、本当に一方的な押しつけだけで終わってしまうことでしょう。
どのような手段で自分の意見を公表するにしても、はやり一方的な言葉や価値観を押しつけることには反発が予想されます。最初に述べたように文字だけのコミュニケーションでは、適切に自分の意志を伝えることは意外に難しい物で、誤解を生みやすいこともあります。発言をする方も、見る方も、そのような誤解を回避する方法を知っておくべきです。
何より、肝要に発言を見送ることです。1つの価値観を即座に押し殺そうとしても、それもまた価値観の押しつけになるからです。一般的な解決方法は、発言を無視するという消極的な物です。これは、争いを起こさないということでもあります。しかし、発言者は自分の過ちに気づくでしょうか?難しいのは放置しても根本的に解決しないことです。ここにそのコミュニティの管理者が重要な役割を果たします。しかし、管理者自身の発言であれば、誰にもいさめることはできないかも知れません。でも、そのようなコミュニティに留まる人はいないでしょう。そうやって、認められない価値観は置き去りになって行きます。
コミュニティの方法というのは、やはり教育されないといけないのかも知れません。間違った発言を注意されて、ようやく気づくということは、多々あるのだと思います。これが現実世界で行われてから、ネットの世界に入ってくれば良いのですが、今ではそうも行きません。失敗から学ぶ機会をネットでも必要としているということでしょう。現実のコミュニティをそのままネットに持ち込む場合もあります。その場合、ネットで起こったことが、現実の人間関係に直接影響を及ぼします。ますます現実とネットの境目がなくなっていきます。もし、ネットでのコミュニケーションの場所を提供したいという人は、しっかりとネット上のコミュニティーを管理して未然に事故を防ぐように注意しなければなりません。まず、管理者がネットの問題点を理解して置くことは重要です。そして、利用者も自分の発言に責任を持つと同時に、他者の発言を間違いのないように汲み取る努力や、間違いを大らかに見守ったり、優しく指摘できるようにならないと、直情的な感情だけが文字になって本当の言葉が伝わらなくなってしまいます。意味不明の言葉は不快な感情を見る者に与えます。
足りない言葉の責任は自分にあります。また、見えない感情を読みとるのも自分の責任です。そう思って発言を読み、相手の発言を悪と決めつける前に、足りない部分を補って考えてあげるくらいの優しさが必要なのです。
それでも、悪意ある発言には、対処はできないでしょう。そんなときは、何もせず放置することも重要です。そして、第三者に注意をしてもらうことも必要かも知れません。 まだまだ、使い慣れないコミュニケーションの道具には困難がありますが、閉鎖されないオープンな空間であることが、解決策になるかも知れません。管理者や大人たちが、上手にコミュニティを誘導して行く必要があるのかも知れません。ネットには大人も子どもも混在したコミュニティがあります。幼稚園児でさえもインターネットで遊びます。大人が管理する限界はありますが、しつけと同じで、マナーや危険性を教えることは大人の責任だと思います。ネットの入り口でネチケットを教えたり、子どもと一緒になってメールや掲示板、チャットに参加するなど、もっと時間を掛けて子どもたちに教えることはあるはずです。 大人もネットに苦心しているくらいですから、学校や行政がサポートできる社会体制も必要なのかもしれません。道具として使っていく以上、その危険性を無視することはできないのです。
まだまだ、ここで結論が出るほど、ネットというコミュニティも成熟はしてません。しかし、今一度、考え直す機会にしないと行けないと思いました。各サービスについては、それぞれページを用意してありますので、トップページからそちらをご覧下さい。
(2004.6.6筆/2004.6.7追記/2006.9.2追記)
いま、急速に広まりつつあるのが、weblog(ウェブログ)、略してblog(ブログ)です。
手軽にHPが作れると言うことで、個人だけでなく企業にも積極的な動きがあるようです。
このblogは、コラムのようにある出来事を取り上げて記事を書くというもので、テーマを持ったblogも多くあります。ただただ、日記を書きつづったり、自分の趣味に関する最新情報についてコメントをしたりします。
1つの情報を取り上げそれを別の視線で解説したりするのは、同じ趣味のものにとっては興味深いことです。また、それら記事に対して、コメントを読み手が付けることができ、更に、トラックバックという独特の機能があります。これがblogの目玉とも言えます。
通常、読み手が記事を参照して、更に解説や反論などを書いたとしましょう。そこから元を辿ることはリンクを用意することで可能です。しかし、参照元からはリンクされませんので、逆に辿ってくる人はいません。そこでトラックバックなのです。どこにどんな補足記事があるのか、元の記事に対してリンクを付けてしまう機能なのです。
blog同士がリンクやトラックバックで結びつくことで議論ができるだけでなく、広がる情報をくまなくすくい上げることができるようになります。誰もが批評家になれるって感じですね。
あとは、批評がただの暴力的な言葉にならないように注意しなければならないでしょう。今はまだ大きな問題は起こってないようですが、全く関連のないページに無作為にトラックバックさせるなど、スパム行為がこれから心配されます。
また、サービスがうち切られたら自分の記事なのに全部消えてしまいますね。手元に残らないというのが難点ですね。(2004.8.6追記)
アダルトサイトが複数のブログを利用して、お互いにリンク(トラックバック)をすることで、googleのような検索サイトの結果に影響を与えています。検索サイトでは、リンクをされるサイトは優良な情報を持っているという定義をしているため、このような悪意の意図的なリンクも検索結果の上位になるように機能してしまいます。(2006.9.2追記)
トラックバックを利用して一方的にリンクをさせる手法をトラックバックスパムと呼びます。
既に多くのブログサービスでは、トラックバックスパムへの対策が施されています。また、最近の機能強化の一環でアフィリエイトに対応したものも増えています。
(2004.8.29筆)
2004年8月23日、ソフォスが新種のウイルス「W32/Rbot-GR」について報告しました。
このウイルスは感染したPCに接続されたビデオ映像やマイクを支配します。その他にバックドア(セキュリティのないアクセス口)を仕掛けたり、キー操作を記録するスパイ活動なども行います。これにより、感染したPC内部の情報が漏れるだけでなく、外部からビデオや音声をつかったスパイ行為が可能になるというのです。
もっと単純に言えば、ウイルスがカメラとマイクの電源を入れ、感染したPCを経由して映像と音声を放送してしまうということです。そして、PCの中から持ち主の個人情報の全てを持ち去ることだってできるのです。あなたの私生活がインターネットを通じて覗かれるということが起こりえるのです。ウイルスがPCに感染する以上、PCに接続された機器が支配されることは目に見えています。それがハッキリとした形になっただけです。更に、ネットワークにはPC以外のものが色々と接続されるようになってきました。プリンタ、ネットワーク対応のHDD、監視カメラ、HDD内蔵ビデオなど、家電製品の多くがネットワークに接続されるようになります。例え直接それらの製品にウイルスが感染しなくても、接続されたPCが感染することにより他のネットワーク機器が直接的に危機にさらされるようになってしまいます。
携帯電話でさえ、ネットに接続してメールを送ったり、カメラで撮影したり、TV電話になったり、電子マネーによる決済ができるようになってきました。プログラムが動かせるようになって色々なことができるようになりましたが、携帯電話に感染するウイルスまで登場してます。便利な道具は、誰にでも簡単に使えるようになると、犯罪にも簡単に使えるようになります。更に多機能になると、使わない機能や使えない機能が増えてしまい、そこからセキュリティが疎かになってしまいます。いずれはいらない機能を削減できないと、手に余るものになるでしょう。
今後はプライバシーを保つことは非常に難しくなるかも知れません。すでに街には監視カメラが溢れており、多くの人がデジカメやカメラ付き携帯を持って歩いています。すでに監視社会と囁かれいます。
ウイルスの侵入により家の中も、使っている電化製品も監視される危険性がこれから増えてくることになりそうです。余談になりますが、極小のICチップを使ったICタグを商品に埋め込むことにより、電波を使い離れたところから商品(ICチップ)の情報を得ることができるという技術です。衣料品や野菜の流通を監理するのに使われようとしています。今後はお札や書籍などにも利用されるでしょう。あなたが、どこのどんな服を着て、財布の中にいくらお金を持っていて、買い物した袋の中に入ったものまで読取装置で分かってしまうのです。
見えないもの、見せたくないものまでもICタグの技術によって見えてしまうという、監視社会を超えたプライバシーのない世界が先に見えようとしています。
(2006.3.11筆)
以前にオンラインゲームについて取り上げていますが、今回はオンラインゲームと現実経済活動に関係するリアルマネートレード(Real Money Trade)を取り上げます。
インターネットを利用したオンラインゲーム、特にMMO(多人数参加型)と呼ばれるものでは何万人何十万人というプレイヤーが世界中から参加することができます。その仮想空間内では、経済活動を行うことができ、プレイヤーは様々な手段でゲーム内の通貨(仮想通貨)を得て、またこれを消費しています。
この仮想通貨を現実のお金(リアルマネー)で取引する行為をリアルマネートレード(RMT)と言います。
例えば、ゲーム内にある珍しいアイテムをネットオークションなどで他人に販売する行為があります。また、ゲームをする時間がない人が、仮想通貨をまとめて得るための手段としても利用されていました。
そこまでなら単にゲームを手軽に楽しむための出費であったでしょう。
昨今の問題は大きくあげて3つあります。仮想通貨のインフレ、業者による仮想通貨やアイテムの独占、国家間の金銭移動です。【1.ゲーム世界のインフレ】
ゲームないでインフレが発生すると新規プレイヤーのようにお金を持たないプレイヤーはゲームを楽しむことが困難になります。
また、この原因の多くは次のゲーム内の独占行為にあって、ゲームを楽しめないとなるとプレイヤーの退去が進み、サービス停止という事業面への影響も発生します。
インフレそのものは仮想通貨が大量にあふれることで発生します。多くのオンラインゲームは時間が経過するほどインフレが進む傾向にありますが、RMTによって普段持たないはずの通貨を持ったプレイヤーが高額なアイテムをより高値で購入するためにインフレが加速する事態が発生することがあるのです。【2.業者による独占行為】
様々な違反行為が発生し、ゲーム内のモラルが低下します。通常、仮想通貨はゲーム内の行為によって発生します。RPG(ロールプレイングゲーム)であれば、敵を倒したりクエストやイベントを達成することで通貨やアイテムを得ることが目的です。
しかし、一般プレイヤーの目的を阻害する行為が独占行為なのです。
例えば、プログラムツールを使った違反行為によって、自動的に敵を倒したり商品の売買を行うことができるのです。これにより他のプレイヤーが競い合う要素を独占的に取り上げてしまいます。
そのような独占行為者を業者などと呼びます。これら業者の目的はただ通貨やアイテムを独占することではなく、それらをRMTによって現実のお金に換えて利益を上げることなのです。【3.不透明な通貨取引】
あまり指摘されることがありませんが、仮想通貨を仲介することで国家間の通貨交換が行われています。
業者の中にはサービス地域ではなく、本来サービスを提供していない国であり、物価の安い地域の人がより手軽な利益活動として組織的に行っています。そのため他のプレイヤーには非常に攻撃的で、言葉も通じないことで、ハラスメント行為に発展することもあります。
また、マネーロンダリングとも言える行為が簡単に行えます。A国でリアルマネーを仮想通貨に交換し、それをB国でリアルマネーに交換すれば良いのです。ゲーム内で通貨やアイテムを受け渡す行為が可能な限り、RMTと組み合わさって行われることになります。
また、ゲーム内では詐欺的行為を行っても現実に罰せられることがないため、仮想通貨やアイテムを他人から拝借し、これをRMTでリアルマネーにしたとしても違法行為にはならないのです。もちろん、ゲームの運営会社は規約違反としてアカウント(参加資格)を剥奪しますが、また別のアカウントを利用して違反行為を繰り返す人もいます。
また、ゲーム内でも通貨やアイテムの貸し借り、売買という行為は通常認められており、それら経済活動もゲームの一環と考えられているため、詐欺行為やRMTを取り締まることは簡単ではありません。では、なぜこのようなことが現実の法律で対応できないのでしょうか。
実はゲーム内の通貨やアイテムは運営会社の所有物であり、プレイヤーはそれらを借りて遊んでいるという考え方があるからです。
また、RMTに関してもゲームによっては禁止行為なのですが、運営会社が公認しているケースもあります。
RMTを禁止としているゲームでは、スクエアエニックスのファイナルファンタジーXI(http://www.playonline.com/ff11/)があります。しかし、同じ運営会社が行っているエバークエスト2(http://www.playonline.com/eq2/)では詐欺行為を防止するため公式にRMTをサポートまでしています。RMTによる経済活動を目的としたゲームや、ゲーム内のアイテムを運営会社から買ったり借りたりするものもあります。
ゲーム内のアイテムを持ち主に無断で販売して逮捕されるというケースもありますが、これらは不正アクセス防止法によるもので、詐欺や窃盗ではありません。他人のIDを使ってアクセスし、アイテムを奪うといううちの、アクセス部分だけが犯罪となっているのです。
そのため奪われた通貨やアイテムに対する補償は運営会社でさえ行わないのが通常です。プレイヤーからするとそれによって費やした時間を奪われたのと同じですから、精神的な被害は少なくありません。その点については、まだ現法律では対応がなされていません。オンラインゲームに限らず、多くの人が集まるということはハラスメントや詐欺という行為も発生しやすいことになります。
またゲームの場合、参加者の多くが若年者が中心で違法行為の標的になりやすいということもあります。また、昨今はオンラインゲームの裾野が広がっており、ゲームの種類は違いますが中年層にもオンラインゲームが浸透してきています。
運営会社は不正行為を取り締まるためにゲームマスター(GM)という、仮想世界の監視やプレイヤー間の問題解決を行う仕組みを用意しています。しかし、プレイヤーにとってそれらが満足に機能しているゲームがどれだけあるかは不明です。
最近は、国民生活センター(http://www.kokusen.go.jp/)にも、ハラスメントや独占行為を運営会社が取り締まらないためにサービスを満足に受けることができないという相談が増えています。
まだまだ、オンラインゲーム市場そのものが発展的な時期でもありますが、RMTはこれから大きな問題となってくることでしょう。オンラインなのですから、一国の社会問題という枠にはとどまらず、もっと大きな視野で考えるべき問題なのですから、早急に法的な整備や国家間の取り扱いについて議論をして欲しいところです。参考:国民生活センター オンラインゲームに関するトラブルが急増 [2005年12月7日:公表]
(2006.9.2筆)
アフィリエイトというのは、商品を販売したいサイトが、その商品の紹介者に利益の一部を還元するというシステムです。
例えば、ホームページやブログに自分が購入した商品の感想を書き、その商品を販売しているサイトへのリンクを置きます。リンクをクリックすると来訪者はその商品の購入ページに移動することができ、そこで買い物をするとその利益の一部が還元されるようになっています。
アフィリエイトは会員制になっており、商品のリンクの中に会員番号になるものが含まれていて、リンクをクリックしただけで、どの会員が提供したリンクなのか判るようになっています。
アフィリエイトはWebから収入を得る最もポピュラーな手段となっています。主には実際のユーザーが使用した感想とともに商品を勧めるのだから、顧客が営業マンとして活動してくれるので説得力があります。通常、Web店舗は広告以外の営業はしませんから、商品を紹介したい思いと、紹介して欲しいという思いが合致した結果生まれたサービスと言えます。アフィリエイターは、このようなアフィリエイトをいくつも利用して収入を得ています。昨今、口コミ情報を活用したサイトが増えおり、グルメ情報や旅行情報などを地図情報と組み合わせて情報を整理するサイトも登場しています。
Webから収入を得る方法としては、バナー広告が古くからあります。こちらは当初は広告を設置していくら、広告を表示した回数に応じていくら、広告をクリックした回数に応じていくら、と広告の効力に応じた報酬へと進化しました。アフィリエイトはその更に進化した物と言えるでしょう。
そして、更に今後はドロップシッピングという新手法が登場します。アフィリエイトは販売サイトへの顧客の誘導によって収入を生みますが、ドロップシッピングは更に販売価格を会員が自ら設定して仮想店舗を構えることができるようになっています。もちろん、商品の発送や決済は販売サイトが行ってくれます。ただし、販売の責任は会員にありますので、通信販売法に定める表示(責任者の氏名、住所、電話番号など)は必要になってくるでしょう。
ただ、アフィリエイトにしてもドロップシッピングにしても、今後会員が増えることで還元される利益は減少します。現在のアフィリエイトを見ても、自分で会員になって購入すれば還元利益を受けられるため、他人のアフィリエイトを利用することを回避するかもしれません。
現在は利益の還元を受けていない口コミ情報も多くありますから、新しい形のアフィリエイトも今後色々と登場するのかも知れません。
先般、クリック詐欺という事件が起こっています。これはバナー広告のクリック数を謝ってカウントして、広告料を取りすぎていたというものです。以前からある詐欺事件では、クリックを不正に発生させて還元される利益を不正搾取というものもありました。
アフィリエイトの場合、購入しない限り利益も発生しないため現時点では詐欺的な事件は発生していません。ただし、オークションのように中古品の販売を会員が行えるサイトもあるため、新品のつもりが中古品だったというトラブルがないように注意が必要でしょう。
(2006.9.2筆/2006.10.22追記)
元々の始まりはある大学で学生同士の交流を図るために作られた自己紹介のためのサイトです。同じような趣味の人を探したり連絡を取るための、コミュニケーションをサポートするツールとして始まったのです。
恐らくこれがスタンフォード大学の卒業生が作ったというFrendsterの原型だったのではと思います。細部は覚えていませんが、TVで紹介されたときには、他の大学へこのツールが利用され、地域のコミュニケーションツールとしても活用が始まったという段階でした。
その仕組みが発展し、友達同士をつないでいくという、人脈構築のためのツールとなったのがSNS(ソーシャル・ネットワーキング・システム)なのです。
最初は何かの団体か募集した人を集めるところから始まります。その後は、会員が紹介状を発行し、紹介された人だけが会員として加入することができます。こうすることで、会員同士の人脈がつながっていきます。
元々限定されたコミュニティですが、更に加入条件や目的を統一したSNSも登場して、細分化されたコミュニティが形成されています。
大人数の会員を抱えたポータルサイトも次々とSNSを導入しており、紹介も不要になり人脈よりも趣味を同じくする人を探すための出会いのツールとなっています。
コミュニケーションのポータルサイトとも言えるSNSは、その目的に応じてターゲットを絞り込み、広告やアフィリエイトを取り込んで商業的な実験場にもなっています。
多くの人が集まるためSNSにもスパムやウイルスの配布が行われます。FlashやJavaScriptを悪用してウイルスに感染させる手法もありますので、閉鎖された空間だと思って安心してはいけません。最も有名なSNSサービスであるmixiにおいて、個人情報漏洩事件が発生しました。原因はP2Pソフトウェアの利用によるウイルスの感染に始まり、PC内部のファイルが大量に流出しのです。その流出情報からSNSの利用が判明し、本名による登録をしていたがために、SNSの友達関係にプライバシーを暴露するという事件に発展したのです。
mixiは株式公開直後のことで、かなり敏感に反応を示しました。
1つは、暴露に関わった者の処罰としてアカウント剥奪(アカBAN)を行いました。しかし、そのときに友達として登録していた他のアカウントも巻き添えにして芋づる式にアカウントの消去を行ったのです。それに反抗した人たちが、偽のアカウントで会員になり、友達を作っては規約違反行為を行い、無関係な人々を巻き添えにするという事態に発展しました。これは手軽に友達になれる雰囲気を逆手に取ったシステムの弱点を暴露したとも言えます。
もう1つ。人間関係を築くのがSNSの本来の目的ですから、本名での登録が推奨されてきました。ところが、事件後には実名では登録しないように方針が変わってしまったのです。ネットでのプライバシー開示の怖さがパニックを引き起こす可能性があったからかもしれません。しかし、この時点でパニックになっていたのはmixi自身だと思われます。丁度、連日大幅に株価が下がっていた時期でもあります。
実のところ、本名で登録している人は少ないように感じられます。私の母校のコミュニティを覗いてみましたが、20人ほどいて、本名らしい人は一人だけでした。
mixiにとっては、対岸の火事が飛び火して対岸より炎上したというところでしょうか。もちろん、被害者は利用者なのですが、利用者に直接注意を呼びかけることはされておらず、密かに規約が書き換えられ、怪しい人とその関係者らしいというだけで抹殺されるコミュニティなんて、それこそ無法地帯の土壌だと感じます。
(2006.10.22筆)
Webでのサーフィン中に広告やリンクを開いたときに、セキュリティの警告が表示されたらあなたはどうしますか?
突然「あなたのパソコンはウイルスに感染している」と画面にウイルスの件数が報告されました。これは一大事と画面を見ていると、セキュリティソフトウェアのダウンロードを促すボタンがあります。これを押すとソフトウェアはダウンロードされますので、安全のためにとインストールすると・・・悲劇が始まるのです。
さて、どこに問題があったのでしょうか?
まず、そもそも、ウイルス対策をしていなかったのも問題ではありますが、Webでの画面表示を簡単に信じこんではいけません。勝手にあなたのパソコンの中を調べるなんてプログラムはありませんし、それができるならスパイウェアと言っても間違いありません。そう、相手は凄腕の医者ではなく、強欲な詐欺師なのです。これは、相手に不安をあおって商品を購入させるという詐欺の手法でもあります。もちろん、そのソフトが正常に機能を果たせば良いのですが、お金を集めるだけで仕事もせずに、最悪はあなたのパソコンから情報や財産を奪い取っていく可能性もあるのです。
また、中には強制的にウインドウを開いて、ウインドウを閉じさせないものや、ウイルスチェックに必要なプログラムとしてActiveXを実行させて、ブラウザを乗っ取ってしまうものもあります。入金するまでパソコンが使えないなんてことになったら最悪です。そういう身代金を要求するウイルスもありますから、出所の不明なプログラムを動かすことはとても危険なのです。このような悪徳ソフトウェアは、ウイルスではないためウイルス対策ソフトでは防ぐことはできません。基本的にダウンロードを促し、ユーザーが自分でインストールするソフトについては、全て自己判断でしか対処できません。
日経パソコン10月23日号で偽物のセキュリティソフトとして紹介されたものは次の通りです。
「WinAntiVirus Pro」「SystemDoctor」「ErrorSafe」「SpywareQuark」「Win Fixer」
(2007.14.15筆)
新しいいじめの形として、インターネットを舞台にしたネットいじめが発生しています。この現象は決して日本だけの問題ではありません。アメリカやヨーロッパでも若い世代で発生しています。
まず最初の形としてメールを使ったいじめがありました。これはメールを使って、いじめの対象を決めたメールを回覧したり、そのメールの輪から特定の人を仲間はずれにするというものでした。これはコミュニケーションの手段として、携帯電話が若年世代に普及し、携帯電話を使ったメールのコミュニケーションが始まったことで、口頭によるいじめがメールになりました。
その後、携帯の進化と共にいじめの道具として悪質さが増します。それはデジタルカメラの機能です。恥ずかしい写真を合成したものや、いじめの現場の映像を記録して、それら画像や動画をクラスメイトに回覧するといういじめです。また、それらは学校外にも飛び火する危険性があります。
携帯電話の使用率が上がるにつれて、携帯電話向けのサービスが増えると、それらサービスを利用したいじめが発生します。現在、その舞台として問題に上がっているのがプロフと呼ばれるプロフィール登録サイトです。
本来であれば、名刺代わりに自己紹介をするためのサイトで、コミュニケーションを助けてくれる、友達を作るための道具です。しかし、インターネットという匿名性とサービスの手軽さがアダとなります。
誰でも簡単になりすますことができるという問題です。これはSNSでも問題になりましたし、元々掲示板やホームページの利用でも同じ問題は過去から続いていますので、特別にプロフの問題とは言えませんが、若年層のニーズに適した結果、サービスの成功が裏目に出たと言えます。
プロフとは、非常に簡単な自己紹介サイトです。多くの場合、携帯電話で撮った自分の写真を載せて、名前や学校名、趣味などが書かれています。友達に自分のプロフを教えて、自分を知ってもらうにはとても良いツールだと思います。
しかし、現実には、インターネットというのは友達だけでコミュニケーションができる訳ではありません。プロフに載せた個人情報は他の誰にでも見ることができるということを忘れてはいけません。インターネットに残した物は、学校の外にばらまいているのと同じなのです。
また、自分の個人情報だけでなく、家族の個人情報や、友達の個人情報まで垂れ流していないか気をつけねばなりません。それは本当にやりたいこととは違うはずです。
このようにプロフというのは、手軽に個人情報を書き込んでしまうという問題があります。また、多くの若年者が情報交換の手段として利用していることを逆手に取って、若年者に悪い情報を与える手段として利用する人たちもいます。
プロフから個人情報を集めるだけではなく、プロフに勝手な個人情報を載せるといういじめや犯罪の準備行動があります。自分のプロフが勝手に作られるなんて本当にゾッとする話です。また、それが自分を傷つけることを目的に人を集めるページだとしたら、本当に恐ろしいことになります。
ネットのいじめが怖いのは、誰が自分をいじめているのか判らないという点です。そして、その背後にどれだけの人がいるのかも判りにくくなっています。それはまるで自分の影が自分の首を絞めているという感覚かもしれません。
もし、自分の誤った情報が書かれたページを見つけたときは、単純にそのページの作成者に連絡を取ることは避けましょう。そのページを含むサーバの運営者が企業や組織であれば、そこに連絡するようにします。もし運営者が個人であれば、直接の連絡は避けて管理組織に連絡しましょう。また、連絡先が判らない場合や、運営者がデータの削除に応じない場合、悪質な内容の場合には迷わず警察に相談してください。