【オンラインゲーム】

 2002年5月、スクウェア社の「ファイナルファンタジーXIオンライン」(以下FF11と略)の日本での本格サービスが始まりました。
 初期導入費(約3万円)や月々のプレイ費用(1250円)が必要なため、小中学生が簡単に始められるものではないため、社会人、大学生のプレイヤーが多いようです。もちろん、その中に高校生や小中学生も入って来ています。
 このようなゲームはRPG(ロールプレイングゲーム)と呼ばれていて、ゲームの世界に置いて冒険者という役割を演じながら、様々な目的を探し達成して行くことができます。その積み重ねによって様々な体験をし、達成感を得るのです。
 それでは、今回の「FF11」に付加された「オンライン」とは何でしょうか。それは、コンピュータネットワークを使用したゲームということです。そう、インターネットを使って、多くのプレイヤー達と一緒に冒険をすることができるのです。
 今までは、シナリオとして用意された人物との会話を読むだけがRPGの中身であり、ストーリーを追いかけながら謎を解いたり困難に打ち勝つことが目的でしたから、自分の都合だけでゲームは進んでいきましたし、それは用意されたレールの上にありました。
 しかし、オンラインゲームはインターネットを通じて多くのプレイヤーと協力しながらゲームを進めるため、様々な出会いもあり摩擦も生まれます。
 ことに、会話はチャットによって行われますので、会話の内容によって誤解を生むこともあるでしょう。また、ゲームでありながら自分勝手に振る舞うこともゆるされません。ゲーム内でパーティ(隊列)を組み、2人から6人 、最大18人で一つの目的に向かって協力してプレイすることもあるのです。そうすると、誰か一人の行動がパーティを危険にさらすこともありますから、お互いに戦略を話し合ったり、目的達成のための議論も起こります。
 オンラインゲームは、ゲームと言いながら、そこは礼儀の必要な社交場なのです。そして、そこには身分も年齢もない分身達が存在しています。しかし、ゲームのキャラクターである分身は紛れもなくプレイヤーの人格を受け継いでいます。その言葉、行動はプレイヤーの意思によるものです。
  さて、このようなオンラインゲームにおいて、慎むべき言葉と行動について少し解説しましょう。

●言葉の問題点
  言葉はチャットによってお互いに会話がなされます。チャットで気を付けることは既にチャットのページで述べたことが当てはまります。後は、ローカルルールに注意することでしょう。
  会話の範囲も、1対1、周囲の人、遠くまで聞こえるものなど様々用意されています。会話の内容によって、この範囲を適正に選ぶことも重要です。単なる待ち合わせの連絡をプレイ中の全員に話す人は嫌われます。また、パーティでプレイ中に、ひそひそと1対1でばかり話していると、返事をしない人だと思わせます。
 また、言葉の中には長いものを短く略したものが使われます。これはRPGというゲームであるため、敵との戦闘中に長い言葉をキー入力していられないということや、通信時間・会話時間の短縮のためだと考えられます。良い例ではありませんが「ありがとう」を「ありー」と略したりします。しかし、こういう略し方は慣れた人同士の間ですべきであって、初めて会った人や助けてくれた人に対しては使わないものです。

●行動の問題点
 行動については言葉以上に問題となることが多々あります。
 自分勝手な行動によりパーティのメンバーが死んでしまうことがあるからです。死ぬと言って、ゲーム中に戦闘不能になってしまうことですが、いくつかのペナルティが死んだ人に与えられるため、誰もそれを願ってはいません。
 団体行動の場合、より困難な敵を倒すために協力しあうことが目的です。1つの戦闘が終わると休息をして次に備えますが、自分が元気だからといって勝手に行動すると、パーティが敵に襲われて全滅してしまうということがあります。
 また、目的もなくパーティを集めて時間を無駄にしてしまったり、適正でない場所へパーティを連れ込んで危険にさらすということもあるでしょう。もちろん、パーティにはリーダーがいて、適切な処置をしなければなりません。問題行動や言動がある人をパーティから外すこともあります。
 その他、オンラインゲーム独自の迷惑行為を紹介しましょう。
【PK】
 FF11ではできませんが「PK」という行為があります。これは「Player Kill」の略で、他のプレイヤーを襲って死に至らしめる行為です。海外製のオンラインゲームの多くが「PK」を可能にしていて、プレイヤー同士が戦い、倒れた者から金品を奪う行為まで可能になっています。FF11ではこれは許されていないため、敵に倒されそうな人を見かけたら助けてあげるという行為が自然に生まれました。
【MPK】
 「PK」がないからといって安心はできません。「MPK」という敵(モンスター)を使った「PK」行為があるのです。直接他のプレイヤーを攻撃できないため、わざと強い敵を連れてきて、自分は逃げるなどして他のプレイヤーを襲わせるという行為なのです。
 自分勝手な行動でパーティを危険にさらすこともありますが、逆に行動しないことでパーティを危険にさらすこともあります。これもMPKと同一扱いで、パーティを組んでおいて、自分は何もしないでパーティを危険に遭わせることを面白がる人もいるようです。
【寝落ち】
 ゲームをしながら寝てしまうことを「寝落ち」と言います。突っ立ったまま動かず、声を掛けても反応がない場合、プレイヤーはゲーム機の前にいないか寝てしまっています。
 プレイヤーが寝てしまうと誰にも起こすことはできません。特にパーティ中に寝落ちするととても迷惑がかかります。パーティプレイはそれぞれに役割分担をして強敵と戦います。一緒に戦っているはずが、役割を果たせなくなるのですから、とても迷惑をかけてしまいます。こういう時は熱中せずに早く睡眠を取ることが大事で、素直に告げて、パーティから外れる方がお互いのためでもあります。

 多くの人が参加するオンラインゲームではそのシステムを悪用する人がどうしても存在します。そのような情報を交換しているホームページもありますが、悪人は簡単に名前を変えて現れます。行動がおかしい人がいたら、早めにパーティから外すか、パーティを抜けてしまうのが良いでしょう。
 無理せず楽しくプレイするためには、時間を守り、いろいろな人と話をしながら、親しい人を作っていくことでしょうか。


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