2000年夏に始まった、NTTのインターネット常時接続サービスが「フレッツISDN」です。
ここでは、料金に関することではなく、セキュリティーの面でどんな危険性があるかを説明します。
インターネットでは、IPアドレスを使って個々のコンピュータを識別しています。
ダイヤルアップ接続の場合、接続する毎にIPアドレスをプロバイダから借り受けています。インターネットに接続する1つ1つのコンピュータに必ずIPアドレスが割り当てられるのです。
通常ホームページを見るとき、IPアドレスの代わりにドメイン名を使っていますが、これはDNSサーバーでIPアドレスに変換されて送信されます。
あなたがパソコンを使ってホームページを見るとき、ブラウザにURLを入力する(リンクをクリックする)ことでパソコンがサーバーへファイルの転送を要求します。その際に、自分のIPアドレスを一緒にサーバーに送って、ファイルの送り先を教える必要があります。
サーバーは要求の合ったIPアドレスへ、ファイルを送ります。
受信したあなたのパソコンがブラウザにその受信したファイルを表示させて、ページを見ることができるのです。
このようにIPアドレスはインターネットになくてはならない仕組みです。
IPアドレスがなければ、どのコンピュータにファイルを送って良いか分かりません。しかし、IPアドレスさえ分かれば、誰でもあなたのコンピュータにデータ(信号)を送ることができるという意味でもあります。
ダイヤルアップの場合、誰かがあなたのIPアドレスを発見したとしても、狙いを定めたときには、ダイヤルが切断されていたり、接続し直して新しいIPアドレスになっているので、結局、知らない間に狙いをかわしていました。
しかし、サーバーのように24時間つないでいると、ずっと相手に付け狙われるような状態になるのです。
ですから、「フレッツISDN」に加入していても、接続を定期的に切断することで危険度を低くすることができますので、タイマーを使ってコンピュータの起動やネットの接続を行ったり、ダイヤルアップと同じように必要な時だけ接続するなど、つなぎっぱなしにならないように注意しましょう。
定期的に接続をやり直すような機器やソフトウェアがあれば、とても有効だと思います。
会社や学校のように、ファイアーウォールなどセキュリティーにお金を掛けているところとは違い、家庭のパソコンは非常に脆弱です。
ウイルスの侵入や、パソコンの乗っ取りなどが行われると、知らない間にあなたが加害者となってしまいます。
たった、IPアドレスだけでそんなことがと思われるかもしれませんが、大量にデータを送るだけで、それが無意味なデータであっても、信号を受信したパソコンはその処理に手間取ります。昔からあるサーバー侵入の手段ですが、侵入されないにしても、回線が占領されることでインターネットを利用できなくなることがあります。
IPアドレスが簡単に知れるのは、インターネットの仕組みですが、誰でも知れるということは、危険でもあり安全でもあります。
誰かがあなたのパソコンにアクセスして来ても、相手のIPアドレスが分かればある程度は相手を特定することができるからです。
プロバイダ経由の利用者なら、プロバイダのサーバーを通してアクセスしているので、どの契約者がそのIPアドレスを使ったのか調べることで、相手を特定することができるでしょう。
ページャー(インスタントメッセンジャー)などメッセージはファイルをやり取りするプログラムもIPアドレスを使いますので、相手のIPアドレスを調べる機能が付いています。
また、いわゆるアクセス統計用のCGIを使って簡単に記録を残すことも可能です。