【ネットいじめとプロフ】

(2007.14.15筆)
  新しいいじめの形として、インターネットを舞台にしたネットいじめが発生しています。この現象は決して日本だけの問題ではありません。アメリカやヨーロッパでも若い世代で発生しています。
 まず最初の形としてメールを使ったいじめがありました。これはメールを使って、いじめの対象を決めたメールを回覧したり、そのメールの輪から特定の人を仲間はずれにするというものでした。これはコミュニケーションの手段として、携帯電話が若年世代に普及し、携帯電話を使ったメールのコミュニケーションが始まったことで、口頭によるいじめがメールになりました。
 その後、携帯の進化と共にいじめの道具として悪質さが増します。それはデジタルカメラの機能です。恥ずかしい写真を合成したものや、いじめの現場の映像を記録して、それら画像や動画をクラスメイトに回覧するといういじめです。また、それらは学校外にも飛び火する危険性があります。
 携帯電話の使用率が上がるにつれて、携帯電話向けのサービスが増えると、それらサービスを利用したいじめが発生します。現在、その舞台として問題に上がっているのがプロフと呼ばれるプロフィール登録サイトです。
 本来であれば、名刺代わりに自己紹介をするためのサイトで、コミュニケーションを助けてくれる、友達を作るための道具です。しかし、インターネットという匿名性とサービスの手軽さがアダとなります。
 誰でも簡単になりすますことができるという問題です。これはSNSでも問題になりましたし、元々掲示板やホームページの利用でも同じ問題は過去から続いていますので、特別にプロフの問題とは言えませんが、若年層のニーズに適した結果、サービスの成功が裏目に出たと言えます。

 プロフとは、非常に簡単な自己紹介サイトです。多くの場合、携帯電話で撮った自分の写真を載せて、名前や学校名、趣味などが書かれています。友達に自分のプロフを教えて、自分を知ってもらうにはとても良いツールだと思います。
 しかし、現実には、インターネットというのは友達だけでコミュニケーションができる訳ではありません。プロフに載せた個人情報は他の誰にでも見ることができるということを忘れてはいけません。インターネットに残した物は、学校の外にばらまいているのと同じなのです。
 また、自分の個人情報だけでなく、家族の個人情報や、友達の個人情報まで垂れ流していないか気をつけねばなりません。それは本当にやりたいこととは違うはずです。

 このようにプロフというのは、手軽に個人情報を書き込んでしまうという問題があります。また、多くの若年者が情報交換の手段として利用していることを逆手に取って、若年者に悪い情報を与える手段として利用する人たちもいます。
 プロフから個人情報を集めるだけではなく、プロフに勝手な個人情報を載せるといういじめや犯罪の準備行動があります。自分のプロフが勝手に作られるなんて本当にゾッとする話です。また、それが自分を傷つけることを目的に人を集めるページだとしたら、本当に恐ろしいことになります。
 ネットのいじめが怖いのは、誰が自分をいじめているのか判らないという点です。そして、その背後にどれだけの人がいるのかも判りにくくなっています。それはまるで自分の影が自分の首を絞めているという感覚かもしれません。
 もし、自分の誤った情報が書かれたページを見つけたときは、単純にそのページの作成者に連絡を取ることは避けましょう。そのページを含むサーバの運営者が企業や組織であれば、そこに連絡するようにします。もし運営者が個人であれば、直接の連絡は避けて管理組織に連絡しましょう。また、連絡先が判らない場合や、運営者がデータの削除に応じない場合、悪質な内容の場合には迷わず警察に相談してください。


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