ネット通販


〜目次〜
  1. ネットで買えるもの
  2. 決済の方法と仕組み
  3. ネット通販の注意点
  4. 個人売買
  5. クーリングオフはできない
  6. 不当請求に気を付けて
  7. 事例

  1. ネットで買えるもの

     インターネットには様々なページがあり、様々なものが売られています。
     物品やサービスの購入を申し込み、後日商品を受け取る場合と、ネット上のサービスを購入する場合があります。

     販売される物品も実に様々で、手作りの日用品から本やCD、自動車まであります。
     物品が手元に届くと引き替えに支払ったり、後日口座から引き落とされます。もちろん、中には先払いのものもあります。

     ネット上のサービスには、その場でカード決済を行い、即座にサービスが受けられるものも少なくありません。
     例えば、音楽(MIDI)データや電子書籍(テキスト)のように、デジタルデータを買う場合は、ネットを通じて決済を行います。
     またシェアウェアのように、一定期間試用した後、正式に使用するためのパスワードを購入する場合もあります。

  2. 決済の方法と仕組み

     ほとんど多くの場合、クレジットカードを使用します。
     クレジットカードは、名前、カード番号、期限の3つがあれば使用できます。パスワードはいりません。
     実はこの「パスワードがいらない」ということが非常に危険で、本人であることを確認せずに決済をしてしまうことになります。
     これらの情報が漏れないようにカード情報を送るときには、ブラウザのセキュアモードに対応したフォームを使用します。データを入力する前にセキュアモードになっているか確認してください。ブラウザに鍵や錠のアイコンが動作を示してロック状態になったりしているはずです。これでデータを送信すれば自動的に暗号化が行われます。

     電子マネーは事前にクレジットカードで電子マネーを購入(プリペイド方式)し、その電子マネーの残額の中で買い物をしますので、購入した電子マネー以上の買い物はできません。面倒な分だけ安全性は高いと言えます。(自動的に電子マネーを補充しないことを確認しておきましょう)

     決済代行サービスというのもあります。クレジットカードと使い方はあまり変わりません。
     どちらかというと、クレジット会社と契約しないで商品を売りたい人のための取り立てサービスです。
     利用者(買い手)はサービス業者にクレジットカードの情報を送って、決済を任せます。そしてサービス業者から専用のID番号とパスワードをもらいます。
     利用者のメリットは次のようなことがあります。
     商品の送り先を事前に登録しているので、同じサービスを利用しているサイトでの買い物ならID番号とパスワードだけで買い物できるということ。
     アンケートがある場合、利用者の趣向を取り入れた商品の案内をメールで発送してくれることもあるでしょう。購入の度にアンケートに答える必要もなくなります。
     個人情報を一手に引き受けて買い手と売り手がそれを利用するということです。

       その他には、現金着払い(宅配便や郵便)、前払い(郵便振替や銀行振込)、後払いなどあります。

  3. ネット通販の注意点

     ネットの通販では、写真や解説などで商品の姿は見えるものの売り手の姿がよく見えない場合もあります。
     特に注意しておく必要があるのは、どんな決済方法を取るにしても、それが安全な取引だと鵜呑みにしないことです。

     クレジットカードの注意点:

     クレジットカードを使って、セキュアモード(SSL暗号化通信)で決済を行えば安心と思っていませんか?
     確かに、個人情報やカード情報は安全に相手に届けられることでしょう。しかし、情報を受け取った業者についてあなたはどれだけの信頼ができるでしょうか?見えない相手は信用できる人ばかりではりません。
     また、カード番号と期限だけで購入できる仕組みはとても危険です。カードに書かれている情報だけで買い物ができるということは、簡単になりすましができるという危険性があります。
     そして、毎月の請求明細はしっかりと確認してください。 身に覚えのない請求があった場合、カード会社に連絡して支払の停止をしてもらいましょう。

     詐欺行為:

     良くあるトラブルでは、商品が届かない、商品がカタログと異なる、サイトがなくなった、ということがあります。
     掲示板などで店の評判を確認するとか、何らかの形で利用者の声が聞こえると安心感はありますが、なかなか信頼できる情報源がないのが実状です。
     ネットオークションなど個人同士の売買も少なくありません。企業よりもトラブルが多くなりますので、別項目で解説します。

     個人情報の管理

     個人情報の管理については、プライバシーポリシー(受け取った個人情報をどのように扱うかの内部規定)を公開している業者の方が安心ですが、社内での管理実態が分からないので、評価機関が認定を与える場合もあります。
     個人情報の利用形態についても、外部には出さないとしている所もあれば、グループ企業や関連企業と共有したり、他社の広告を代行して発送するために使用する業者もあります。
     また、倒産した業者や管理がずさんな業者から名簿が流出なんてことは良くある話ですから、どこまで信頼できるかという問題も残っています。

     電子消費者契約法

     ワンクリック購入(ボタンを1回クリックするだけで発注手続きが完了される仕組み)が出だしたころ、二重三重の売買契約が問題になりました。更に、無料会員を募集しておいて、いつの間にか有料サービスに申込させるという不正な売買契約もありました。
     そこで、電子消費者契約法が平成13年12月25日に施行されています。業者がこの法律による契約手順を守らない場合、契約は無効となります。
      (1)誤操作を防止するため、商品購入ボタンを押した後、確認のページを表示しなければならない。もちろん、有料であることの確認も行わなければならない。
      (2)契約の成立は、業者から注文を受けたことを確認する連絡が申込者に届いた時点となる。

  4. 個人売買

     ネットオークションやホームページを使った個人間の売買も盛んに行われています。
     しかし、その不安定な取引のためにトラブルも絶えません。
     よくあるトラブルはお金を振り込んだのに商品が届かないという詐欺行為です。パソコンなどの高額商品やコンサートチケットのようなプレミア商品を売る意思がないにも関わらず、購入を持ちかけるケースです。
     もちろん、用意したものを売り渡す場合もあるでしょうが、中古品の場合、その使用状況や保管状態によって同じ商品でも動作が万全でないものも出てきます。また、譲り受けた直後の故障についての保証問題など、取り決めのない問題についてもトラブルの発生が予見されます。
     個人同士で安価に商品を譲り渡すようなものならば、トラブルもやむを得ないと思えますが、高額な商品になると注意が必要です。
     直接個人同士での売買は、郵便や宅配便の代引きサービスを使うことが多いでしょう。これは配達業者が現金と引き替えで商品を渡してくれるというもの。お金を払う方、商品を渡す方の双方に安心感のあるサービスです。
     また、トラブルを解消するためにエスクローサービスという仲介業者を使うものもあります。多くはオークションサイトが行っていたり、 提携業者が決められています。取引に保険を適用するオークションやエスクローもありますので、オークションの利用時に確認するようにしましょう。
  5. クーリングオフはできない

     インターネットの通販に関連する法律には「通信販売法」「景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)」があります。

     訪問販売の場合、クーリングオフという制度があり、契約から8日以内なら無条件で解約が可能です。ところが、通信販売法ではそれが禁じられています。

     しかし、返品を受けない場合はその旨を明記する必要があり、その記述のない場合は未使用の商品なら通常返品可能とみなされます。一般的には商品を受け取った後、8日以内なら返品を受け取るとしていることが多いようです。
     また、任意でクーリングオフを受け付ける場合もありますので、記述があるか確認しておきましょう。

    訪問販売法の法定広告表示事項

    1. 販売価格・送料
    2. 代金の支払時期
    3. 商品の引渡時期
    4. 返品に関する事項
      (返品に応じない表示がない場合、返品可能とみなされる)
    5. 販売業者の氏名、名称、住所、代表者名または通信販売担当責任者名、連絡先電話番号
    6. 申込有効期限
    7. 販売価格や送料以外に購入者が負担する金銭がある場合はその種類と金額
    8. 商品に隠れた瑕疵(傷や欠陥など)がある場合の特約事項
      (売主が瑕疵担保責任を負わない場合や制限をつける場合はその内容を明記)
    9. 限定数量など、販売条件がある場合はその条件
    10. カタログ代、送料の明記
      (別途カタログ送付とした場合も同様に明記)

     商品購入の際には、このような表示義務を守っているかどうか確認をすると安心できます。
     また、商品の引渡期限が経過した場合、業者は無条件でキャンセルを受け付けなくてはなりません。

     どちらにしても相手企業が実在するかどうかが一番重要なポイントではないでしょうか。
     行政も抜き打ちでホームページの検査をしていますが、ホームページに住所や連絡先が入っていることは必ず確認しておきましょう。その上で、タウンページなどで会社の存在を確認することをお薦めします。(ダミー会社までは分かりません)

     参考:中国経済産業局消費者相談室 / 福井商工会議所:インターネット販売に関する法令

     購入前に、注文の前に商品の質問に対して迅速に丁寧に回答を行ってくれるか、また、返品できるかどうか必ず確認すると良いでしょう。その回答の仕方によっても担当者または業者の姿勢が見えてくるものです。
     代金の決済方法は、前払い、代金引き替え(代引)、後払い、クレジットがありますが、代引やクレジットカードがお互いに安心できる決済方法のようです。
     もちろん、商品が届かない、商品が違うという場合は詐欺ですからそれ以前の問題です。

  6. 不当請求に気を付けて

    (2004.7.11筆)

     利用もしていないのに請求書だけが送られてくる詐欺が増えています。弁護士や債権回収業者を騙ったり、それらの関与をちらつかせて脅し文句を書き連ねてきます。電話がかかってくることもあります。
     共通して言えることは、相手はこちらのことを分かって通知しているわけではありません。相手の反応を伺っているのです。そもそも嘘の請求に対して支払う義務はありません。
     注意することは、決してこちらの個人情報を教えないことです。「債権(未払い額)の確認をするから」と言われても、答えては行けません。「いまなら半額で済ませてやる」と言われても、元々払う必要がないのに応じる必要はありません。

     相手はあなたのちょっとした心の隙を狙っています。「もしかしたらあのときの・・・」なんて、自分で勝手に思いこんでは行けません。
     「取り立てに行くぞ」なんて脅しに負けては行けません。まず、普通は取り立てにも来ることはありません。何故かって?最初から嘘だからです。嘘の取り立てのために弁護士を使ったり、取り立て屋を使ったり、そんな無駄なことはするはずがありません。もちろん、そんな取り立て行為が合法であるはずもありません。
     法律を盾にして来ますから、最初は驚いてしまいますが、冷静に考えると理不尽なことに気づきます。しかし、心構えは重要です。そのような不当請求には、応じないこと。無視することが基本です。

     もし、心配であれば、地域の警察署(交番では相手にされない可能性が高い)に相談しましょう。
      一番良いのは、消費者センターです。このような相談事が一番集まるので、同じ様な不当請求を確認することもできます。何より他の被害者のための情報提供にもなりますので、決して無駄なことではありません。ちゃんと対応策も教えてくれますし、相手が分かれば警告なども行ってくれます。

     ハガキやメールでの請求:

     適当に名簿を購入して、ハガキやメールで存在しない使用料の請求書を送って来ます。ただ単に無視していれば良いです。
     よく文面を見ますと、連絡方法がメールや電話だけで、住所が書かれていないことがほとんどです。架空の請求なので会社も架空です。また、弁護士や債権回収代行業については資格や免許が必要ですので、実在するのかどうか簡単に確認は取れるでしょう。
     ハガキの場合、その後、電話での請求に切り替わることもあります。
     メールの場合、メール本文中にあるURLをクリックしてWEBサイトを見てみたり、メールアドレスに返信をしなようにしましょう。あなたのメールアドレスを相手に確認されてしまい、メールアドレスを保管されてしまいます。そうなると、更にメールでの不当請求や広告のターゲットにされてしまいます。スパムメールの対処法を参考にしてください。

     電話がかかってきた場合:

     曖昧な答え方はとても危険です。見覚えのないことをハッキリ伝えて早々に電話を切りましょう。まず、二度と掛かっては来ません。
     しつこい場合は、相手のことを聞き返しましょう。業者名、請求の内容(特に利用したサービスの具体的な内容や期間など)、相手の連絡先を聞くのも良いでしょう。そういうことは話したがらないはずです。適当に話を誤魔化したら、嘘であることが明確です。落ち着いて対処してください。
     相手の確認作業に答えては行けません。電話帳で相手が住所を知っていることもありますが、個人情報をそれ以上相手に教える必要はありません。
     上手に嘘を言ったり、カマを掛けてみると相手もボロを出すかもしれませんが、相手は嘘だと分かっているので、余計に起こらさないよう程々に気を付けましょう。
     電話がしつこくかかる場合は、NTTに相談してその発信元からの電話を止めてもらうこともできます。ただし、有料です。

     携帯電話への請求メール:

     携帯メールの勧誘に従ってWEBサイトへアクセスしただけで、請求メールや電話が掛かってくることがあります。
     もちろん、そのような契約は無効です。電話番号が知られてしまうと面倒ではありますが、番号を変更して対処するのも仕方ないでしょう。
     電子消費者契約法においては、(1)誤操作を防止するため、商品購入申込ボタンを押した後、確認のページを表示し、有料であることの確認も行わなければならない。(2)契約の成立は、業者から注文を受けたことを確認する連絡が届いた時点となります。そのため、Webサイトを見ただけや、無料であるはずが有料だとする契約は無効となります。

     家や職場に回収人が来た場合:

     ここまでやられると、詐欺ではなく迷惑行為であったり、場合によっては脅迫となります。普通詐欺師はそんなことはしません。相手は行動をすればするほど罪が重くなるので、法的にはこちらが有利になるばかりです。目に見えた被害は例え小さくても警察を動かす要因となりますので、速やかに警察を呼びましょう。

     参考になるWebサイト:

      総務省:債権管理回収業の営業を許可した株式会社一覧
      総務省:メールに記載されたURLへの不用意なアクセスについて( 不当料金請求の新しい手口にご注意ください )

  7. 事例

     海外ショップから物品の購入:

     海外のショップから商品を送ってもらったら1つ違うものが入っていた。
     ネット上で買ったのではなく、現地の知り合い(メール友達)に頼んで送ってもらったのでした。
     彼が自分のクレジットカードで買って送ってくれたので、メールで連絡を取り、店に確認してもらいました。
     間違ったものを返送するのもお金がかかるので、それも買うことにして安くしてもらい、改めて注文の品を送ってもらうことにしました。
     最終的には損はしていませんが、もし知り合いを介していなかったらトラブルは解決できなかったでしょう。
     海外の場合、トラブル解決をどこまでできるかしっかりと見極めが必要だと感じました。

     アダルトサイトの場合(1):無料サイト

     日本でも海外でも「無料」という誘いに乗って入会し、無料期間が過ぎると自動的に会費が毎月引き落とされるという事態が起こります。
     試用期間が過ぎても、解約の手段が明記されていないことも多く、日本語での問い合わせができないなどのトラブルの原因となっています。
     また、このような、継続的なサービスの申込をしてしまった場合、2・3ヶ月後にカード会社の請求書が来てから気が付くことになりますので、すぐにサービスの解約を行ったとしても、数ヶ月間は引き落としされてしまいます。(カード会社によって対応は異なりますので注意してください)
     カード会社に支払い停止を申し出るにしてもアダルトサイトであるため泣き寝入りという例も少なくないようです。

     リンク:WEB110番

     アダルトサイトの場合(2):ダイヤルQ2

     日本のサイトで、ダイヤルQ2を使ったサービスがあります。
     これはNTTが電話料金に情報使用料を上乗せして請求してくるものですが、時間によって値段が決まります。(通話料もかかります)
     ネットの接続先を業者指定の電話番号とIPアドレスを入力することで直接業者のコンピュータへ繋ぎます。
     問題はサービスの質ということになりますが、電話をかけた時点から料金が請求されますので、接続がうまくいかない、接続後に操作が煩雑(時間稼ぎ)、期待したサービスが受けられないというような問題があります。

     Q2サービスはNTTに使用できないように設定してもらうことができます。特にアダルト系だけを禁止にすることもできますので、ご心配な方はNTTにご相談ください。

     リンク:ダイヤルQ2


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