ドメインの仕組み


〜目次〜
  1. ドメインとIPアドレス
  2. URL
  3. Domain Name
  4. DNS
  5. 問題点

  1. ドメインとIPアドレス

     ドメイン(組織)とはインターネットにおいて、用意にページを探すための名前です。
     例えば「http://www.nnj.co.jp/」というような記述を見たことがあるでしょう。
     この中で「nnj.co.jp」の部分がドメイン名と呼ばれる部分です。これはサーバーの所在を示しています。
     「http://」から始まり、ページを指し示すものはURL(ユー・アール・エル)と呼びます。

     インターネットでは、コンピュータ同士がデータを送り合っています。これが通信です。
     そして、通信相手を特定しなければ、通信はなりたちません。インターネットではIPアドレスが通信相手の宛先となります。
     IPアドレスは「255.255.255.255」のように数字(0-255の8ビット単位)で表記されます。
     ドメイン名は、この数字でできたIPアドレスを分かりやすく覚えやすい名前にするために考え出されたのです。

     あなたが、ホームページを見るときの通信の流れを見てみましょう。
     ブラウザにURLを打ち込むと、まずDNSサーバーにドメインの問い合わせをします。DNSサーバーはそのドメイン名に該当するコンピューターのIPアドレスを教えてくれます。
     次に、相手のIPアドレスを使って、相手のコンピュータへファイルの送信を要求します。この時、あなたのパソコンのIPアドレスも相手のコンピュータへ伝えられます。
     相手のコンピュータは、要求に応じて受け取った送り主のIPアドレスへファイルを送信します。
     あなたのパソコンへファイルが送られ、ブラウザでそのファイルが自動的に開かれ、あなたはページを見ることになります。
       このようにIPアドレスは非常に重要で基本的なインターネットの仕組みです。
     さて、ドメインについては、様々な取り決めがあり、少々詳しく説明しましょう。

  2. URL (Uniform Resource Locator)

     まず、このようなURLがあるとします。「http://www.guardian.ne.jp/security/index.html」
     それぞれの部分を5つに分けて見ます。下記以外の「/」などの記号は区切り記号です。
    「http」・・・ ファイルを呼び出すときの通信方法(プロトコル)を表している。暗号通信の場合、「https」となる。他にftp、gopher など。
    「www」・・・サブドメイン。1つのドメインを複数の用途に分けて利用するために使用。
    例:www(Webサーバー)、ftp(FTPサーバー)、mail(メールサーバー)などよく使われるが任意である。使わない場合もある。
    「guardian.ne.jp」・・・ ドメイン名。1つの組織に与えられるネット上のアドレス名。(下記参照)
    ドメイン名、サブドメイン名を合わせてサイト名とも呼ぶ。
    「security」・・・ ディレクトリ名。サーバー内の任意のファイル保管場所を示す。
    ディレクトリ名、ファイル名を合わせてパス名とも呼ぶ。
    「index.html」・・・ ファイル名。呼び出したいページを記述したファイル(書類)の名称。(省略できる場合がある)
    名称の最後に拡張子(かくちょうし)が含まれるが、これは人がそのファイルの中身(役割・属性)を分類するために便宜上付加している。
    下記のような分類がおよそ決まっているため、ブラウザもそれに従ってファイルを表示している。
    htmlまたはhtm(ホームページ用のテキストファイル)、textまたはtxt(普通のテキストファイル)、gif(GIF形式のグラフィックファイル)、jpg(JPEG形式のグラフィックファイル)、mid(MIDI形式サウンドファイル)、mp3(MPEGレイヤー3形式のサウンドファイル)など。

  3. Domain Name

     更に、ドメイン名の3つの部分を詳しく見てみます。
    「guardian」・・・ 任意の組織名。(必ず3文字以上)
    「ne」・・・

    セカンドレベル:ユーザーの区分を示す。トップレベルの管理者が定めるので、2文字や3文字の場合、ない場合もある。
    co(企業)、or(特定法人)、ne(通信事業者)、ac(学校法人)、ed(18才未満対象の学校)、go(政府機関)、gr(任意団体)、ad(JPNIC会員)。この他に、shiga(滋賀県)等の地域属性などがある。

    「jp」・・・ トップレベル:そのドメインを管理している国を示す。
    アメリカはusだが、あまり利用されていない。uk(英)、fr(仏)、de(独)、au(豪)、cn(中国)、kr(韓国)、to(トンガ)、nu(ニウエ)、tv(ツバル)
    国際的な汎用タイプのトップレベルドメインとして、com、net、org、info、bizなどが使われている。
    また、特殊なタイプとしてアメリカ用に 、gov(公官庁)、mil(軍事機関)、edu(教育機関)などがある。

     日本人がアメリカなど他国のドメインを取得することは可能です。ドメインの種類によっては取得条件や必要書類が異なりますので、必ずしも取得できるとは限りません。また、取得後に名前に関する権利者が現れた場合、権利を失うこともあります。
      「tv」のように目を引きやすいドメインを持つ小国が、外貨獲得のためにドメインを他国に解放してしる場合があります。また、「to」「nu」などは日本でも良く見かけます。

      日本国内で運用されているドメインには下記の分類があります。
    属性型ドメイン 組織区分のあるドメイン 例:「xxx.co.jp」「xxx.ne.jp」
    地域型ドメイン 都道府県や市町村名のドメイン 例:「city.otsu.shiga.jp」
    汎用ドメイン セカンドレベルドメインを省いたもの。 例:「guardian.jp」
    日本語ドメイン 2バイトコードを使用。 例:「ガーディアン.jp」

  4. DNS (Domain Name System)

     さて、ドメインが実際にどのように管理されているか、具体的に見てみましょう。
     難しい部分もあるので、理解できなくても大丈夫です。

     世界各地にNIC(ニック)と呼ばれるドメイン管理組織があります。日本では現在、(株)日本レジストリサービス(JPRS)がJPドメインの登録管理を行っています。
     ドメインを取得したい場合、各国のドメイン管理組織か代行業者(プロバイダ)に申請します。
     このとき予約ドメインと呼ばれる一定のドメインは取得することができません。主なものは都道府県名のような公的な名前のものです。また、明らかに他の有名組織の名称である場合も却下されます。
    (都道府県名については、セカンドレベルで使用されるようになりました。)
     また、ドメインを取得してもサーバーがなければそのドメインは効力を失います。使われないドメインは1年で無効になります。(再取得は制限されています。)
     ドメインはDNSサーバーというデータベースによって管理されます。私たちがURLをブラウザに入力してホームページを見るとき、ドメインをIPアドレスに置き換えるため必ずDNSサーバーを使用しています。
     ドメインを取得して、データベースに登録されるにはIPアドレスが必要となります。これが1つ1つのコンピュータを呼び出すための住所になっています。
     また、1つのIPアドレスに対して複数のドメインを取得することは可能です。

  5. 問題点

     同じドメインは早い者勝ちということは良く言われます。そのため、他人の欲しそうなドメインを先に取っておき、転売しようとする人たちも多くいます。
     実際に computer.com が数千万で買い取られたという話も聞きます。原則としてドメインの売買は禁止されていましたが、日本でも汎用ドメイン(xxx.jp)の採用が始まり、汎用ドメインについてはドメインの譲渡が許可されています。

     日本でもドメインの権利を巡って裁判や紛争処理機関による裁定で、ドメインを正当な権利者(商標権など)に移転するということが行われています。これにより、サイーバースクワッティングと呼ばれる不正な居座りや、ドメイン移転に高額な報酬を要求するという行為が無駄だということになってきました。

     最近はトンガ(to)ドメインが日本向けにドメインを販売していることもあって、「come.to」などゴロの良いドメインを良く見かけます。(トンガはセカンドレベルドメインがありません)
     また、独自ドメインを取るだけの費用ももったいないという人向けには、サブドメインを利用するサービスなどもあります。これには無料のサービスもあります。
     例えば、先ほどの「come.to」の場合、サブドメインに「guardian」を付けると「guardian.come.to」となります。もし、日本で「guardian.co.jp」が取れなかった場合にこのような妥協案を選んだり、維持費の安い国のドメインを使うことがあります。

     早い者勝ちのドメインでも、言葉や記号を付けるなどすればまったく違うドメインになりますからそういう工夫もできます。
     例えば、「nnj_corp.co.jp」のように言葉を足すわけです。それができない場合に他国のドメインを活用するというようにすればドメインの取得競争も上手に回避することができるでしょう。

     ドメインの所有者は各地のNICのデータベースに登録され、所有者の住所、電話番号など公に公開されます。
     ドメイン取得を代行している業者によっては、その業者名でデータベース登録される場合もありますが、この点は所有者であることを公に証明できないとも言えます。この辺りは理解して選択する必要があるでしょう。


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